ドクターリフォーム・サンセイ
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関東朝日広告社栃木版連載









1・2日目
3・4日目
5・6日目
番外編『バルセロナ日記』宇宙の歩き方・地球編




サグラダファミリア



サンパウ病院



ドラゴンの門



ステンドグラスのバルコニー



円形劇場



地中海に沈む夕日



5日目

バルセロナの旅も5日目、毎日一人で黙々と歩いたお陰で地理も随分つかめて来た。朝の時間を有効活用するためにも、今日の目的サグラダファミリアには直接行かず、中心部から東に進んだモヌメンタルという地域を経由してみた。ロケットのような高層オフィスビルや路面電車が走る近代的なこの辺りは数年後バルセロナでも重要な位置を占めるであろうが、とても不釣合いな感覚を受けた。

サグラダファミリアに到着、チケットを購入し中に入った。ヘルメットをかぶった作業員が声を掛け合いながら仕事をしている隣を観光客がゾロゾロと移動していく様は滑稽にも見えたが、この観光収入も手伝って工事は予定よりかなり早く進んでいるとの事だった。塔のほぼてっぺんまでエレベータで昇る事が出来たのだが、かえりは果てしなく続くカタツムリのような螺旋階段を下りなければならず、ご年配のカップルは途中何度も休憩を挟んでいた。

隣駅にあるサンパウ病院も世界遺産に登録されている19世紀末の有名な建築だ。曲線の建物に花色モザイクタイル装飾。ちょうど白衣の医師グループが目の前を通り抜けたが、そこには暗いイメージはなく、病気と闘う患者さんにとっても良い環境なのではないかと感じた。少し残った貴重な時間で西に移動し、ガウディ作「グエル別邸」の門を探した。かなり分かりづらい場所で、5〜6人の地元民に尋ねやっとたどり着いた時にはすっかり夜は更けていた。お陰で闇夜に浮き出たドラゴンの写真が撮れた。明日が最終日、最後に遠出をしよう。

6日目

今回のひとり旅も今日が最終日。バルセロナから90キロほど南下しタラゴナという街まで足を延ばした。地中海が一望出来る丘の上にあるこの都市は、その美しい立地が災いしたのであろう、数々の侵略と破壊が繰り返されて来たとのことで、タラゴナ名物の円形劇場も風化以外の力で変形をしたように感じた。映画に観るローマ時代がそのまま残っているこの劇場は、海のすぐ側にある。2000年もの昔にこういった場所で芸術を楽しむという感覚を持ち合わせた人間がいたことに驚いたのと同時に、技術や知識では及ばない「感性」が建物と芸術をつなぐには最も有効だということも再認識した。

地中海のバルコニー・カテドラル等の名所なども含めゆっくりと目的を定めずに町全体を歩いた。偶然見つけたお気に入りの建物というのは、自分だけの秘密のようなどこかワクワクする感覚が残る。海岸沿いの坂道に建っていたステンドグラス装飾のバルコニーを持つ家もその一つで、太陽の傾き加減によって壁に映し出されたその模様が移動して行くといった工夫がなされていた。自然を取り入れた住宅は、季節の移り変わりを感じさせてくれるのと同時に、数年経っても変わらない表情を感じることで自分や家族との歴史を思い返すきっかけも作ってくれる。このアイデアもまさに陽時計の役割をしているのかもしれない。

地中海に沈む夕日を見ながらこの旅を締めくくった。「ひとり旅は、自分を強くて優しいひとりの人間にしてくれる。」人になんらかの影響与える建築という仕事。街の活力となる外観、住む人を幸せに出来る室内空間。発想を共感し合えるクライアントと共にある・・・


最後に毎年この旅行を続けさせてくれている会社のスタッフと家族にお礼を言ってこの旅日記を終わりとします。Gracias!